「カロリーゼロ」という魅力でアピールしておきながら人工甘味料では痩せられないという話
スクラロースやサッカリン、アスパルテームなどの人工甘味料は、舌の甘味センサーにフィットするようにデザインされているので、砂糖の数百倍の甘さを持っています
そして、人間はこの自然界には存在しない化合物をエネルギーとして効果的に活用することができないために、甘味があってもカロリーはゼロです
甘味があっても糖分ではないのだから、ダイエットにも利用できると思うでしょう
しかし、そうではないんです
人工甘味料はダイエット向きではないですし、健康にも悪影響です
砂糖を人工甘味料に切り替えても、体重が減らないどころか、かえって糖尿病やメタボリックシンドロームになってしまうケースが報告されています
ワイツマン科学研究所のエリナブ博士らは、マウスに人工甘味料を投与したところ、11週間後には、少量のブドウ糖でも血糖値が急上昇することを明らかにしました。人工甘味料を摂取し続けることで、糖分をとったときに血糖値が上昇しやすい体質になるのです
ブドウ糖摂取に対して血糖値が敏感に反応する現象を、「ブドウ糖不耐」と言い、エリナブ博士らは、この現象を抗生物質で抑えられることを明らかにしました
人間で行った実験でも、人工甘味料が体質に変化を生むことが分かっています
人工甘味料を日頃から摂取している人では、生息する腸内細菌が変化しています。腸内細菌は千種類いるといわれていて、人によって、特に食生活によって、腸内での生息状況は大きく違います
人の場合はマウスよりも早く効果が現れ、わずか七日間人工甘味料を摂取しただけで、半数以上の人の血糖値に上昇がみられました
「カロリーゼロ」という宣伝文句の人工甘味料に惑わされず、砂糖を必要以上に恐れないようにしましょう。糖質は、生きていくうえで絶対に必要なものなのですから