草食動物と肉食動物の違いから考える人間の食生活

草食動物の腸と肉食動物の腸を比較すると、肉食動物のものより草食動物のほうが、はるかに長くなっています

それは、食べるものの違いによってもたらされていると言えます。

肉の消化吸収にかかる時間や労力より、植物の消化吸収にかかる時間や労力は、ずっと大きいのです

 

牛にいたっては腸が長いだけでなく、胃袋が四つもあり、一度飲み込んだ食べ物を胃から口の中に戻して再び咀嚼する反芻動物でもあり、草の繊維を分解するために多くの時間をかけています

草食動物は、植物の消化に時間をかけています

 

コアラやナマケモノのように睡眠時間が長いことで知られる草食性の動物もいますが、やはり、消化にエネルギーを多く使っているから、動こうとしないのでしょう

草食動物の腸の長さを体長と比べた数値を出してみましょう

馬では十倍、豚では十六倍、牛では二十二倍。

それに対し、肉食動物のライオンの腸の長さは、体長比で四倍です。オオカミも同じく四倍となっています

 

これらのことからも分かるように、肉より野菜のほうが、消化に時間がかかります

野菜は消化に時間がかかるからこそ、野菜を先に食べ、肉を後に食べるのが望ましいのです

 

消化にかかる時間の違いという理由以外にも、野菜を先に食べたほうがいい理由があります。それは、血糖値の上昇をコントロールするためです

食事の一番初めは、食物繊維が多く含まれる野菜や豆類、海藻類、キノコ類を食べるようにすると、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの分泌量を減らすことができます。

インスリンには、糖をエネルギーに変える働きがありますが、余った糖分を脂肪に変えてしまう働きもあるため、インスリンが分泌されると、ついてほしくない脂肪がついてしまうわけです

 

ですので、ダイエットにとっての邪魔物であるインスリンを出さないように、食事の最初は、野菜を食べるようにしましょう

ダイエットのためには、食事の初めに、野菜を百グラムはとる必要があるということです。また、生野菜のほうが効果が大きいです

消化吸収に時間がかかる野菜は、牛が延々と噛み続けているように、しっかり噛んで食べ、消化吸収を助けましょう